DEAD Tube ~デッドチューブ~
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DEAD Tube ~デッドチューブ~

北河トウタ/山口ミコト

抗えない性と死

ネタバレ
2021年2月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品はただエロい、グロいだけではない。生死の際に立たされた人間の醜さ、脆さ、愚かさ等、日常生活では触れることの少ない姿を生々しく描いている。
癖のありすぎる登場人物に、何度も予想を裏切る展開、描写のインパクトが混ざり合い、デッドチューブならではの色彩を放っている。
自分が思う一番の魅力は、町谷の「変態」さである。カメラ越しに広がる命の煌めき、儚さ、欲望、愚陋。それらを綺麗か綺麗じゃないかで冷酷に判断し、綺麗なものを取り続けたいと純粋な心で望む。
綺麗かどうかで判断するが、そこに暴力はダメとか、生死とか、倫理観は考慮されない。そんな「変態」的な考えを持つ人は、隠れているだけで意外と多いのではないだろうか。少なくとも自分はそうである。ただ、この作品のように実行することはできない。だからこそ、疑似体験として漫画内で町谷たちが活躍してくれるところに、カタルシスをを感じるのではないだろうか。
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