このレビューはネタバレを含みます▼
昔読んだスニーキーレッドの人だ!ためし読みの攻めが独特だ!たぶん好きになるやつだ!と購入。障がいや院生などあまり見ない設定だけど、それをサラッと上手く日常モノに落とし込んでいるので、良い意味でサクサク読めて繰り返し読みたくなる作品だと思います。攻めは左の肘下が生まれつき無い障がいがありますが、だから大変だとか辛いとか可哀想といったありがちな展開はなく、優秀な院生で穏やかで自信たっぷりな頼れる先輩であり、また受けに取っては目が離せない気になる存在として書かれているのが凄く良い。攻めに迫られて悩む時もゲイやバイという名称は使わず、ありがちなヘテロ(異性愛)がノーマルといったホモフォブも無く、攻めが好きなのか男も対象になるのかという悩み方をしつつ否定的でも悲惨でもない茶化したりしない書き方なのが心地好い。行き付けのバー(タトゥーとか)の書き方もヘンにアングラっぽく書いていない。障がいについて2巻の回想の一コマで両親がぷにぷにしてて可愛いという反応だったり、これだけあると言われて育ったというセリフから肯定的に大事に育てられたんだなという事が察せられるのがまた良いなぁと。気になる攻めの思わせぶりな態度に振り回される純情な受けと、障がいがあるから大変だときめつけてたっぽい過去の恋人とは違い自然に受け入れてて自分に振り回されつつ食らいついてくる受けにちゃんと本気になる攻めのやり取りが、じんわり響いてきて好きだな~~~っていう余韻に浸れます。ドタバタなラブコメや感動モノではない、少し意地悪な攻めと純情な受けの、産まれ持ったものや育った環境で培った凸凹な面がピッタリ合わさって、恋して愛し合う姿が正にパーフェクトフィットか~~~なんて思いました。ちょくちょく手塚治虫チックな書き方があるので、あの作風に萌えられるなら更に萌えられるかと。私は好き。見た目含めて攻めがニガテって人が多いみたいだけど、あの見た目で悪辣とも取られかねない図太い性格が私は大好きですよ!
ただ、一巻より二巻はページ数が少ないのが残念ですね、書き下ろしはあるのですが電子特典がネームなので水増し感・・・贅沢だろうけどもうひとつ書き下ろしが欲しかったなぁ、このふたりをもっと見てみたい。
あと名作洋画が元ネタのTシャツを探すの楽しかった、時計じかけのオレンジ・・・!