このレビューはネタバレを含みます▼
『君の隣で眠る理由』と二冊同時発売だったので、執事系という事もあり、無条件に同時購入。メガネ、黒髪、執事だけで星ひとつ分です。
ちゃんとリサーチしなかったので、思い描いた執事とは違いましたが、サスペンスチックで、よく出来たストーリーだと思います。ただ、展開に必要とはいえ不快な凌-辱には目を覆いたくなるばかりです。
何の罪もない人達が、狂気を通り越した鬼-畜に落とし込められ、水面下で始まる復讐劇。巻き込まれた要は嘉門に利用された形とはいえ、闇の中の拠り所に惹かれるのは必然的なんでしょうねぇ。ある種のストックホルム症候群に似たような?…その感情は要にしかわかりませんね。
嘉門も辛い思いをしているので、傷を負う者同士わかり合える。それ以上に愛おしくなってしまった複雑な思い…ちょっと切ない。
胸くそ悪い狂人に対する、効果的な復讐。それは目の前で茜の貞操を奪う事。それで気持ちが晴れるわけではないけれど、少しだけでも心の楔が外れたらいいなと願います。あれで絶命したんですかね?
失ったものは大きいけれど、絶望の中から這い上がった人間は強い。自分達が傷ついた分、痛みを知ってるからこそ他人に優しくなれる気がします。二人手を取り合って、いい会社を築き上げて欲しいですねぇ。嘉門が一生側にいてくれるから、幸せになって下さいと願うばかりです。再生ものとして面白いと思います。
カバー下の漫画で、ほのぼのと幸せそうな姿に救われます。蓮見さんもいい人で良かった。