このレビューはネタバレを含みます▼
初読み作家さん。その時の気分や体調で、シリアス系が見たいか、明るく笑えるもの見たいとか、シンプルな絵がいいとかありませんか？
こめり先生の絵はシンプルだけど優しい雰囲気を持っていますね。作品の帯に『腰乃先生大絶賛』と評されていたので、迷わず購入。なるほど、お二人に通じるものがあり納得です。表題作はリーマン上司と部下です。上司の滝川を好きになった草野が面白くて、フッて笑ってしまいます。滝川としてはブラックで働く草野を、飴とムチで頑張らせたんでしょうけど、惚れちゃいました。振られても、めげない、くじけない、引かない草野(笑)押してダメなら引いて…引かないんです(笑)。ある意味鋼のような心臓だね。もう落ちるしかない滝川で、粘り勝ちの草野にcongratulation！
そして、感動作の２話。性同一性障害がテーマです。とてもデリケートな問題で、友人にもいますし、過去に数々のジェンダーレスの方に会いました。だから、この作品はほんとに身近にある問題なんですよね。昔と違って、最近少しオープンに出来る人も増えて来ましたが、それでも偏見や差別はなくなる事はありません。タカコも自分の性別に違和感を抱えながら、親にもはっきりカミングアウト出来ずにいます。一番の大きな問題です。そしてタカコの恋愛。タカコが本気であっても、遊びにしか思わない男に、ほんと腹が立ちます。オモチャじゃないんだよ。彼、彼女らのように理解のない家族の問題、真剣に恋してもらえないなど、悩みはつきず、リストカットの痕を持つ人も多くいます。とても辛い現実ですが、タカコのように理解ある友人がいれば堂々と胸を張って、前を向いて歩ける気がします。入院したお父さんの言葉が温かく、号泣ものでした。タカコ良かったね。お父さんを大事にね。
そして、新しい恋を大切に育ててください。幸せになるんだよぉぉ(泣)はぁ、素晴らしい作品に出会えて良かったです。
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