喪服の花嫁
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喪服の花嫁

芽玖いろは

3人3様のしがらみからの開放

ネタバレ
2021年2月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ パパに支配され、性を手段としてきた雪刀(受)と過去にトラウマを持つタクシードライバー後藤さん(攻)と雪刀に去った妻の面影を見るパパ(攻)のお話。
それぞれの心の闇があり、うわ〜、螺旋階段!中でもパパはすっかり病んで壊れている!好み!!
…ということで、若者は置いといて、パパを刺し身にしてみた。
(スイマセン…。戯言なのでここからスルーして下さい)
パパ魚について…顔は作家のパパ。鱗は…おお、雪刀くんに守られている!肝は逃げた奥さん、身は孤独感、背骨はプライド、という所か。そして考える。孤独を纏ったプライドほど辛いものは無いんじゃないか?その中で義理の息子は日に日に妻に似てくる。更に自分の才能の限度を感じた時に圧倒的に支配できる雪刀の優れた才能を知る。今ごろ愛する妻は何処の男と一緒なのか。おとっつぁん、プッツン切れたわけです。新しい恋愛やら風俗に走ればまだ救われたかもしれないが、根が真面目過ぎた。最後火事によってこの世を去り、雪刀くんのしがらみは晴れてなくなるのだが、この仏間からの出火というのも“さもありなん”。何故だか精神を病んでいる方は火で開放されることがある。…と感じるのは私だけか。
3人の様々なしがらみが、解ける…新しい生活へ踏み出す、そんな話であった。
作者さん、凄い。
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