いとし、いとしという心【イラスト入り】
」のレビュー

いとし、いとしという心【イラスト入り】

かわい有美子/南田チュン

情緒豊かな

ネタバレ
2021年2月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 京都の街の様子、お店の様子、登場人物たちの佇まい、ひとつひとつの風景が目にしっかりと浮かび上がり、作品に入り込んだような気持ちになりました。京言葉の響きが甘くて、艶やかに物語を盛り上げています。儚げなゆきも可愛らしくて千秋に翻弄されて可哀想かと思いましたが、読むうちに千秋の気持ちが切なくて、生い立ちの環境からも唯一の執着した宝物のゆきをどうしてでも手に入れようとする気持ちが痛いほど伝わってきて、胸が熱くなりました。2作目のラストは、初めてやっと千秋の心に柔らかな春が訪れたようで嬉しかったです。本当に素敵な作品です。
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