」のレビュー

石塚真一

主人公以外にも魅力がある。

ネタバレ
2021年2月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最近何度も読み返しているので再レビューします。
主人公の島崎三歩は海外の登山、クライミング経験を経て日本の山に住み、山岳救助を行っている青年。
とても明るくポジティブな性格だが、真摯に山を愛し山に来る人を応援している。
遭難者にも常に希望を与える発言をし、責めることをしない。
それは彼を取り巻く人間に対してもそうで、性別、年齢、外国人に対しても同じ。
そして彼に感化されたり、少なからず影響を受けて周囲の人間も強くなっていく。

基本的には山岳救助の漫画だが、山を登らずとも三歩の人間性に惹かれたり、人生のアドバイスをもらった気になれる作品。
三歩が助けられなかった要救のナオタ、三歩の海外生活時代の同僚ザックは、人間としてとても尊敬できるキャラクターとして成立している。
3巻くらいから画力が安定してくるが、話は最初から面白い。
個人的に大好きなのは、7巻の「頑張れる時」というエピソード。
15巻からは、どんどん話の雰囲気が変わっていく。
もしも三歩やその周囲の人間が好きになってしまったら、14巻までで読むことをやめるのをおすすめします。
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