まことしやかに舞う花は
」のレビュー

まことしやかに舞う花は

束原さき

その花の名前は春、君だぁ(号泣)

ネタバレ
2021年2月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 束原先生の御本は「powder snow melancholy」「replay」「ブルーノート」の順に読んで、こちらで4冊目になります。
これまで読んだ中で、私はこちらが一番好きです。束原先生は学生がモダわちゃしているコメディタッチのストーリーがお得意な方なのかと思っていましたが、こちらは時代背景がシリアスで、なんとも切ない悲恋ものでございました。
戦争を挟んでいるので、当人同士のすれ違い、家の都合、徴兵による別れなど、とにかく障害が多くて...本当に胸が苦しくなりました。
時代物の悲恋で、ハピエン(私は玉響ver.と呼ぶ)とお別れやメリバ、もちろんどれが良いとか悪いとかではないと思うのですが、やはり私は好きな者同士結ばれてイチャコラしてほしいので、このお話がハピエンでとても嬉しかった!
春臣と生きると決めたあとの颯太朗は、すごくかっこよかったです。だから生きててくれて本当に嬉しかった!(嬉しい2回言った!)
近代日本(明治〜昭和初期)を舞台にしたBLが、私はどうやらとても好きみたいです。私は当時の日本の工芸品も好きなのですが、大戦後の占領下の日本が輸出品に「オキュパイドジャパン」の刻印をつけることを義務付けられていたと知り、職人達の思いに胸をはせたりもしました。なので、終戦後の野戦病院?のようなところで春臣が踊るシーンはグッとくるものがありました。みんな泣いてる...(涙)終戦後、みんなどんな気持ちだったんだろう。
とか言って、しんみりしちゃいましたけど、描き下ろしの狸のエピソードはめちゃかわいいので、和みます。ご安心を!
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