このレビューはネタバレを含みます▼
絵も綺麗、話も素直で面白い作品です。続きは勿論原作のラノベも気になります。ですがもやっとした点があります。本編にはそこまで関係ないことかもしれないませんが。
ジルが怖くないかと聞かれたとき、前世では父子家庭で可哀想な子だと色眼鏡で見られた経験があるから先入観で怖がらずジルと接するとありましたが、リリーはレオナールと会った時、怖がっていなくとも異名や容姿から本来は恐怖の対象だけど…、と思ったそれを先入観と言うのでは?ジルには先入観を持たないってこと?前世の経験から色眼鏡では見ない、先入観は持たないって言っていること自体が自分は父子家庭で可哀想な子供だと思われているっていうリリーの先入観のように感じます。前世でもリリーは父子家庭でも幸せだと先入観も色眼鏡もなく思ってた人がいたかもしれないのに。でも大半から可哀想な子供だと思われていたのも事実だったから『経験』があるとの事だとは思いますが。
あと前世は高校生で今世は18歳だと思うのですが、違和感がある程大人顔負けにしっかりし過ぎているのにレオナールとは雇用関係でジルの母親として相棒と明言しつつもまわりが夫婦だと誤解する程度には一線引いてないし、かと思えば結婚に言及されると意固地にしないと拒否。ケチャップとマヨネーズを作った後も前世を悟られたくない割には立ち回り方が下手でしっかり具合が都合良くどこかにいくのがしばしば。死んで転生したことにより大切な人を悲しませたことに罪悪感を感じていているのは分かるけど、自分の『罪』だと言い切っていることには自分に酔っているようで正直ええぇ…となりました。
世界観も設定もキャラクターも魅力的で面白いのに、突然リリーの性格や行動、発言に収まりの悪さとブレを感じてしまい読むのに迷います。