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三上志乃

涙が止まりません

ネタバレ
2021年2月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 感動のデビューコミックスです。親や家族の愛情を知らずに生きて来た二人の切ない物語。巴が何故、肉親から疎外されなければならなかったのか、実の兄に蔑まされなければならなかったのか、理不尽な精神的虐-待に、はらわたが煮えくりかえりそうです。母親の死は誰のせいでもないのに…やり場のない嘆きと怒りを巴のせいにするのは、間違っている。最愛の者を亡くした哀しみは、残されたもので支え合うべきなのに、どうして憎しみの対象になるのか理解出来ません。孤独な巴を陰日向と支え守って来たのは、世話役の南雲。親の愛情を知らないのは南雲も同じで、だからこそ愛して守りたいんですよね。巴は自身が足枷にならないように、姿を消した時は苦しくて、辛くて、涙が止まりませんでした。愛しているから側にいたい…愛しているから側にいてはいけない…なんて悲しいすれ違い。
巴を見つけた南雲の涙が、ぐっと胸につきささりました。もう二度と離れないでください。もう二度と幸せになる事を諦めないでください。そう願わずにはいられませんでした。
父親の後悔のような言葉は、言い訳にしかならず航に問いかけた事も、今さら何を言ってるんだ、という感じで最後まで納得出来ませんでしたが、航が病んでしまった父親の最後の味方だったのかな?と思います。作者様の意図を読み解いて、解釈するのは難しいですね…解釈して、咀嚼してのみ込む事はもっと難しいと感じます。
とにもかくにも、巴と南雲はお幸せに~。
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