ERR_MNG
よく練り上げた作品です。お見事です。
2021年2月25日
初読み作家さんです。表紙の家族のような絵を見て、明るい子育てBLのオメガバース編かな？と思っていましたが、予想外に複雑でした。確かに、春翔と陸が可愛くて、可愛くて癒されます。この子たちの存在が、物語の重みを消してくれる緩衝剤のような役割ですね。オメガバースなので、やはりΩに対する差別は酷く、α優位に展開されます。だけど光河と岬の恋は、αとΩが引き合うものではなく、ただ普通に惹かれ合った普通の恋に見えて、なんだか素敵だなぁと思います。もちろん発情したΩが盛る時は、獣のように欲しがるシーンもありますが、そこには本能だけじゃない愛が見える気がしました。光河の両親、祖父、岬の元夫、執事？の原田、それぞれに張り巡らされた伏線が、上手く回収されて行き、おぉ、なるほどと感心するばかりでした。とてもよく出来た作品で、面白かったです。最後は、みんな幸せで良かったです。
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