君は夏のなか
」のレビュー

君は夏のなか

古矢渚

心が震える作品です

ネタバレ
2021年2月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ どうしてこんなに心が揺さぶられるんだろう。古矢先生の作品は、ゆっくりと少しずつ心に沁みわたるんですよね。じわじわっと心が掴まれて、ギュッと痛くなる。涙がぶわっと溢れだし、喉の奥が痛くなる。溢れる涙のせいで読めなくなって、大きく息を吸うんです。でも、また涙が止まらなくて…
隠した想いを覚悟して、重荷にならないように伝える。決して、何も望まない。ただ伝える事が出来たなら…どんな気持ちで告白したのだろう、と思うと切なくて胸が痛みます。何も望まないなんてウソ。二度と会わない覚悟の告白は、辛くて哀しかったです。二人で訪れる聖地巡礼は、哀しい思い出作りだなんて…最後の『ありがとう』がたまらなく切ないんです。どうしても伝えたかった気持ちを手紙に綴る千晴。もう涙で読めない私。ひしひしと伝わる心情が繊細に語られる手紙。あっ、また泣きそう。
黙って居なくなった千晴に対する複雑な感情もリアルです。怒りとショックな渉の動揺がよくわかります。う~ん、やっぱり古矢先生凄いですねぇ。動き出した恋がたまりません。
続編では大学生の二人です。まだまだ初々しさの残る二人で、アツアツ、ラブラブまでにはまだ少し時間が掛かりそうです。千晴の慎重さと大事にしたい思いが伝わって来ます。きっと、ほんとはもっと前に進みたいと思うんですけど、時折感傷的な表情を見せるのは思い過ごしかな。渉に足並み揃えてるんでしょうねぇ。優しいなぁ。渉もゆっくりと向き合って、気持ちもだいぶ追いついて、ちょっとジェラシー感じて名前呼びするところはキュンとします。きゃ~♡彼氏力ついてきたね~♡
ほんとに素敵な作品をありがとうございます。番外編たちも素晴らしく萌え萌えです。まだまだこの二人の恋を見守りたいです!
表紙の鮮やかな空の色は、二人の晴れやかで清々しい恋のようです。
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