このレビューはネタバレを含みます▼
集団で話してて置いてきぼりになった航平に、「今な、ってさぁ、ウケんだろ?」って、明るいところに連れ戻しに来てくれる太一にまず泣きました…
航平にとって、太一がいる場所は『ひだまり』なんだなぁと改めて思いました。
太一が航平を救う度、そのことは航平のなかに確かな温もりをもって息づいて、太一が傍にいられない時も、その温もりが航平を救ってくれるんですね。
世の中にはたくさんの人がいて、その人たちみんなが同じことで同じように感じて、同じように笑える、そんな世界は確かに理想論でしかなくて、だけど、その理想論をさぁ、実現したいと思ってくれることが、どれだけの人を救うだろう。
どこにいてもあいつが笑えるようなそんな世界にできたらいいな。
そんなふうに、自分と一緒にいない時に、自分のことを思いやってくれてる人がいる、それがどれだけその人を救うだろう。
当事者じゃなきゃわからない、気づけないものを、太一はいつも気づいてくれた。わかろうとしてくれた。
それがどれほど航平を救ってきたか…。
人生にはいろんなことがあって、なんで自分ばっかりと思うことも、こんなことがなければと思うことも、誰にでもあることだと思う。
それでも、その辛いことを、それでもいいと思えるような何かに、誰かに、出会えたならそれだけで、充分幸せだと思いました。