推し、燃ゆ
」のレビュー

推し、燃ゆ

宇佐見りん

オタクのはてブロの方が面白い

ネタバレ
2021年3月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 紹介通り、女子高生の推しが炎上した話。
炎上した本当の理由が推しから語られるでもなく、ひたすらファンである主人公の視点だけで進む物語。
一人称は「あたし」。

推した理由を語るシーンでオタク特有の言い回しが出てきて、そういう部分で若い子が軽率に共感しやすいんだろうな…と思えど、途中から面識ない同担の「自分語り」をひたすら聞かされている気分に。

文字が多けりゃいいってもんでもない、と前置きした上で…それでもやっぱり、ハードカバーで140ページ程度のボリュームは物足りない。

長い自分語りが終わり、ここからどう転がるんだろう…とようやく物語が動き出したと思ったら、そこでアッサリ終わって拍子抜け。
起承転結の「承」の後半で終わるような…それでいてフルプライスな事に、だいぶがっかり。

自分の推し作家も本書作者と同じく学生デビューだけど、毎回300ページを超える大作シリーズを書き上げて面白く読ませてくれるので、その感覚に慣れ過ぎてしまったのかも。

表題の通り、リアルなオタクさんのはてなブログで読む推し語りの方が、同じ自分語りでも熱量が高くて面白い。
1000円以上出して読む内容ではないなと私は思いました。
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