ことのはころり【電子限定描き下ろし付き】
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ことのはころり【電子限定描き下ろし付き】

暮田マキネ

ころりと変わる、言葉はとても大切

ネタバレ
2021年3月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 地方から上京した周(あまね)は大学内の店で働く二部の学生です。そんな周と彼女との方言混じりでの別れの電話を偶然聞いてしまった志信は、以前から学内で働く周の姿に惹かれており、さらに失恋した傷心の子が好きという性癖の持ち主でもあり、自身と親友の虎徹が所属するサークルに周を入会させます。地元で明るく溌溂としていた周は、上京してからは方言がコンプレックスとなり、人と極力関わらないようにしていました。一人ぼっちの周が、生きた言葉として方言の研究をする、ゆる〜いサークルの新歓コンパで、みんながくれたお菓子を大切に握りしめたまま眠ってしまうシーンが切ないです。周と志信が親しくなったことでバイト先の同僚から心無い言葉をかけられた挙句、周はクビになってしまうのですが、同時に志信への自分の気持ちを知ります。一途な志信、純心な周、一読サラリとしたお話なのですが、『ことのは、ころり』のタイトルを心に置いて読んで頂くと深く楽しめる作品かと思います。虎徹も素敵に良いヤツで、そこもお勧めです。
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