このレビューはネタバレを含みます▼
昨今、ただただエロイ描写を垂れ流して読者を集めるBLが流行する中で、ストーリーと濡れ場が丁度良く配置された内容は非常に読みごたえがあり、何度でも読み返して仕舞う漫画と漸く出会えた。他レビューでもある通り、話が進むに連れ攻め受け逆転有りだが、何の違和感もなく読める。寧ろ、出逢った当初攻め側だったマコが徐々に愛される側になってゆく過程が切ない。本来、当て馬的存在には殺意を覚えるが、一向に目覚めない恋人（元受けのシノブ）を健気に待ち続ける中、何度も心折れそうになるマコの姿を見て心打たれた東条先生の登場は、胸を打った。彼は何方を選んでくれなくてもいいから貴方の支えになりたい、と数か月では有ったがマコの傍に居り、彼の心を支え続けた存在。心の隙を突いて狙うとか性悪、と評価する者も居るが、一年でも長いのに其れ以上を待ち続けたマコに其れ位の支えが有ってもいいのでは？と思う。シノブの今後の心理描写も気になるし、マコも、此の先精神的トラウマをどう乗り越えるのか注目して行きたい作品だ。
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