ぼくの可愛い妊夫さま
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ぼくの可愛い妊夫さま

七川琴/ミニワ

コミュ障産婦人科医、愛を知る

ネタバレ
2021年3月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「泣ける」「BL小説」で検索して見つけた作品です(泣きたいの?ウン、泣きたい)。表題とカバーイラストを見て、本当に泣けるのか?と思い購入しました。結果、泣けました。かわいそう~とかでなく、ジワッ、ホロリと泣けるやつです。自分は一生誰とも深く関わらず生きていくだろうと思っていたコミュ障の37才産婦人科医、弓削の元に「正常に機能する卵巣・子宮を持った男性」ーMFUUの若く屈強な大工の男性、岩本がやってきて診察を受けます。MFUUの説明を聞いて取り乱した岩本は弓削を突き飛ばして怪我をさせて病院を飛び出しますが、後日やってきて謝罪します。岩本の自分とは正反対な男らしくかっこいい姿と、明るく真面目な人柄に惹かれていって弓削は少しずつ変わっていきます。設定はキテレツですが、病気の説明などリアリティがあってすんなり入っていけたように思います。苦手な一人称小説でしたが大丈夫でした。岩本と出会って変わっていく弓削とMFUUを受け入れていく岩本、男性同士でつきあうことへの世間の目の厳しさにも触れ、パートナーとして共に支え合っていく強い意思に満ちた、愛というものについて考えさせられるお話でした。エロはありましたが、あまりエロさは感じなかったような...。いいお話なのでエロ目で読めなかったのかもしれません。出産後も読みたくなりました。
2016年9月 挿絵あり。
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