心理描写がめちゃくちゃ繊細で、丁寧です。攻めの視点で物語は進むのですが、世間からどことなく浮いており、どこにいても馴染めず居心地悪く生きている自分を、どうしてこうであるのか、なぜ普通に生きることができないのか自己嫌悪と諦めとで語りつくす鬱々としたモノローグが癖になるくらい私には嵌りました。ラインマーカー引いて音読したいくらい心理描写が好きなんですが、純文学系BL好きな友人には男性妊娠という特殊ジャンルゆえに勧めにくくて、このレビュー欄で愛を叫びたいと思います。もともとはWEB発の小説です。連載されていた頃からのファンで単行本になったと聞いて購入したのですが、タイトルが連載時と違いすぎてビビりました。男性が妊娠可能というファンタジー要素ありですが、めちゃくちゃ珍しい症例という扱いなので、そこまで現実世界との乖離はありません。愛を覚えて救済される攻めの物語です。攻めと一緒に救われる気持ちになれるセラピーBLなので、シチュエーション好きな人はもちろん、いま疲れてて癒されたい人もぜひ読んでほしいです!