このレビューはネタバレを含みます▼
繊細で優しいお話。スピンオフとのことだが、本作だけでも問題なく読めた。内向的な自意識過剰童貞のイケメン年下攻めと影のある研究員の受けのカップルだった。幼少期に目撃した母親の不倫とその相手とのやり取りや、うまくいかなかった彼氏との過去が攻めの由木の心に深い影を落としていた。そして、受けの木庭も高校時代の彼氏小林の事故死は自分のせいだと責め続けてきた。闇や葛藤の描写が続き、読んでいてしんどくなり、刺さらなかったが、ミモザを見てお互いのことを想う繊細なふたりが最後は寄り添って生きることを選ぶ。小林のことを忘れなくていいという由木の優しさが心に沁みた。由木が思い出のクッキーを渡して母親と和解したシーンはよかった。絵は癖があり、終始、由木の特徴的な髪型が気になった。描き下ろしでは、ふたりが結ばれたことがわかり、ホッとした。3.4