このレビューはネタバレを含みます▼
かなりの長編。読破に随分時間が掛かったが、じっくりと読み進めやすい丁寧なストーリーだった。ヒロインは先代魔女から呼ばれた日本人であり、転生したようで体が新しいものに変わっていた。見た目20歳で精神が30歳なので、落ち着いて自分に降りかかる物事に対処していく。ヒーローは「英雄の息子」である名門の騎士で過剰な期待を背負わされていたので、父のように戦死することが前提のような扱いをされているようで(一部の人間)、本人もその覚悟があるようだ。森に住んでいたヒロインが権力争いになし崩し的に巻き込まれて、達成感や、陰謀、戦争、恋愛と手抜きなしに描かれている。2巻では陰謀から戦争パートでヒロインとヒーローは大変な苦労をする。そして本当にヒロイン達が結ばれた時なんて泣くしかない。とても職業意識が強く、責任感か強く、我慢強いカップル。はじめは仲が悪かったし本来結婚にドライな考え方をしていた二人だったが、運命の相手だったんだろう、精神的な繋がりはとても深いものになった。よかった。この表紙は…。眠り続けるヒロインをひたすら見守るヒーローの切ないこと。