faker[フェイカー]
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faker[フェイカー]

千代崎

素晴らしい画力がストーリーを補ってます

ネタバレ
2021年4月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さんのデビューコミックスとのことで、まずは発売おめでとうございます。皆さん仰ってますが、初コミックスとは思えない程のクオリティでした。特に画力が高くて、人物の描き分けもバッチリだし、どんな身体のポジションも自然でデッサンがとてもお上手な上、背景の隅々まで丁寧でした。
さて本作品は、表題作のみ全5話+描き下ろしで合計212ページ。大手広告代理店のやり手な営業・三上×美人だけど毒舌な先輩・瀬川のお話です。上司との不倫に縋る瀬川が、ひょんなことから三上と関係を持ってしまい…という展開。二人ともちょっと素直じゃないというか、特に最初は手に入らないから追いかけているという感じなので、そういう駆け引きを楽しめる方向きかなと思います。ストーリーは今までにない感じで面白かったんですが、ちょこちょこ気になる箇所が…。例えば瀬川が不倫相手の部長とはすっぱり別れたと言ってましたが、いつの間に?なんで告白後の両思いエッチの後に瀬川は逃げてしまったの?三上がインターン生だった時のエピソードも良かったんですが、現在の時間軸との変移がもう少しスムーズなら尚良かったかも。あと、瀬川に執着していて一途だと思っていた三上が、勉強のためとは言えプロの男の娘とも経験していたという描写も、個人的にはなくても良かったかも。多分この作者さんの絵じゃなければ★4つにしていたかも知れません。まぁストーリーの所々に、うん?となる箇所はありましたが、画力がそれを補って余りあるという感じでした。ともあれ、今後も気になる作家さんです。
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