初出2013年からの時代の変化を感じる





2021年4月17日
ホラー漫画や少年漫画のような絵柄に最初怖気づいたけれど、中身は真面目なLGBTのお話だった。ゲイに対する周囲の受け止め方、言葉遣い等に、かなり前の漫画かと思って読み進めたら、2013年発行とは、ここ10年以内になんと世の中の空気が変わったことか。とはいえ、表立って口にすることこそ減ったかもしれないけれど、隠れた偏見や、実質的な生きづらさは今もなお存在している。そう考えると、真面目な問題提起としての作品の価値は高いものだと思った。LGBT当事者としての生きづらさを抱えながら生きる高校生の痛々しさやひたむきさ、その周りの人たちの多様な価値観が剥き出しに表現されている作品。その真摯なメッセージ性を尊敬し、☆4。漫画としては、ドラマ性が強く飽きずに読み進められるものの、あくまで個人的に、展開や人物像がややテンプレかなと感じた。

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よー さん
(女性/40代) 総レビュー数:10件