好きだなぁ。特に山田君が好きだなぁ。





2021年4月20日
フォローしている方のレビューで知った作者さん。2作品目ですが、この作品も好きです。表題作の前に1話(厳密には2話)入っているのですが、話毎のあとがきによると時系列的には表題作より後のお話です。そうであるなら、と、里村書記官が立ち直れていることにホッとしました。そして、山田君、最高です。好きすぎる。表題作は、何とも言い難い読後感ですが、里村書記官の取った行動は、理解の範疇にはなくとも、受容はできます。まともな思考すら働かなかったのであろう衝撃を思うと、苦みが残りますが、雨は上がるんだなあという、救いのようなものを感じます。最後のお話は、趣が変わって異国のお話ですが、流れる空気感のようなものは壊れないので、すんなりと入り込めます。3年かけて育まれていた想いに尊さを感じました。書下ろしの再会(未満)には、結果として布石を打たれていたことになるなと感心して、布石箇所へとページをめくり返しました。作者さんの親心が温かいです。巻末の、最初の2CPのその後を描いた「初対面の宵」が面白すぎたので(里村書記官を憂う必要はなかったと思い至りました笑)、この人たち、もっと読みたいと思いました。

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