皇帝と宦官【コミックス版】
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皇帝と宦官【コミックス版】

日野晶

2CPどちらもよかった。

ネタバレ
2021年4月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ とは言え、キャラクターの精神的な成長や変化がある話が好きなので麗林がお気に入りです。◆貧農の口減らしかつ前向きに宦官としての生活を受け入れている海燕とは違い、名家に生まれながら皇帝に取り入る為に父親によって奴隷同然の『人ならざる』存在にされ、欠けている身と高すぎる自意識に苛まれてきた麗林。口では自分たちはとっくにみじめだと言いつつ受け入れられないできて、自分とは違い健やかに生きている海燕を蔑むような態度を取りつつも憧れていたんでしょうか。罪を犯して『犬』として太子に飼われることになっても名家の坊々意識が抜けないままの麗林に「奴隷ならば奴隷らしく生きろ」と太子に言われて強かに生きることを覚えていくのが良かった。何もかも失って身一つでしぶとくやり直し(とはいえ腹黒スパダリ太子の寵愛は最初からあるんですが)、描き下ろしのラストシーンの独白に至るまで成長した麗林が本当に尊い。海燕と皇帝CPでは当て馬の麗林ですが、単なる当て馬のスピンオフではなく、もう一人の主人公なんだなと思います。◆海燕は天真爛漫で、夜はそのあどけなさのままに皇帝を翻弄する天然悪女のようなところが魅力的。突き抜けた善性によって勝手に幸せになれそうですが、性格がねじくれてその上死罪になって同然な罪を犯してしまった麗林のハッピーエンドが心に刺さっています。◆帝國や偽りもこれから購入予定です。
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