このレビューはネタバレを含みます▼
絵柄がものすごく好みだったので上下巻を購入。最初なぜ下巻の表紙が2人の邪魔をしていた環なのかな…最後にフォローの話が1話くらい入ってるのかな?程度に考えていたのですが…全く違いました。これ、環の話が起であり結だったのですね…まさか伊月と芳野が承転で伏線だったなんて…上巻でちらっと出てくる結城は軽薄な男に見えたのに、知れば知るほど生真面目でとても優しく不器用な人なんだとわかりました。家長として成すべきことを幼いうちから悟り、周りの期待に応えようと頑張りすぎ、本当の自分を隠したが故に起きた悲恋。結婚式での笑顔に隠された「…ほんと、嫌になるよな」と言う弱音や、初夜後に目覚めて環が隣におらず、戻ってきた環に見せた幼くも言葉少なな正直な心の内が環の心を救ったであろうシーンももの凄く心に響きました。想像していた以上に深い愛情が根底にある作品でした。良作に出会えて嬉しいです。