やまない不幸の終わらせ方
」のレビュー

やまない不幸の終わらせ方

緒川千世

設定に疑問があっても、やっぱり好き

ネタバレ
2021年4月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 烏堂兄と清竹は東京の中学の同級生だったはず…清竹の実家が栃木って、初期設定と齟齬が生じてる?2人が出会って烏堂兄が恋に落ちた、物語の根幹ともいえる大切な時代なので、そこは外せないはず。清竹の父親の実家が栃木で、父親が退職後に栃木へ帰って農業を継いだってことでしょうか?清竹姉の「子供のころから変わらない風景」ってセリフも、「子供のころ、祖父母の家に遊びに来た時に見てた景色と変わらない」ってことですかね?
それは置いておいて、今回も心揺さぶられるお話しでした。ノンケだった清竹との恋を守るため、一つでも多くの武器を手にするために、1人必死で戦ってる烏堂兄の姿が痛々しい。見た目も学歴もキャリアも、側から見たら誰にも負けない完璧な男性なのに、ただ一つ、愛する人が同性っていうだけで、危うい立場に立たされるとわかっているが故に。常に仮面を被ってる烏堂兄が、激昂して清竹を殴ったり、周りの目も憚らずに泣いたり、人間らしい姿を清竹に見せることができ、それを清竹が受け止めるシーンは本当に良かったです。
何だかんだ烏堂弟カプが常に良いアシストしてて、それもまた「1人で頑張らなくてもいい」ってメッセージなんだと烏堂兄が気付いて、もっと甘えられるようになれたらいいのに。何より、武器なんかなくても生きていける世の中になるのが1番なのですが。
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