このレビューはネタバレを含みます▼
BLとしては大いに楽しめたし、納得のいくオチもあったし、種明かしのタイミングも絶妙だったし、概ね満足なのですが、読み物としては少々不満が残る…という作品でした。
「館もの」とのことで、狭い世界の話なので仕方ないところではあるのでしょうが、時代や背景の説明がたまに挟まるくらいで現代ものとそうたいして変わらない空気感のまま話が進んでしまい、いまいち時代特有の雰囲気とか世界観が見えてこない。なのにそれっぽいカタカナ言葉やら話し言葉やらをポツポツと入れ込んでこられるので、そのたびにせっかくようやく入り込めた物語の世界からたびたび引き戻されてしまって、ちょっと腹立たしかったです。いまこの時にそんなわざとらしいカタカナ言葉だしてきて無理に大正時代を演出しなくてもえーやん!あぁもう!って気分に何度もさせられてしまいました。…オオ・デゥ・コロオニュとか、ちょっとやり過ぎかと。
あと個人的な感覚かもしれないけど、腎水っていう表現も字面的になんか嫌だった。普通に精.液って言葉を使ってくれた方が、ネットリ感があってエロく感じられて好きです。