Gad Sfortunato
」のレビュー

Gad Sfortunato

basso

そういう歯車ってある気がする

ネタバレ
2021年5月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ クマとインテリシリーズの「amato amaro」に入っていた短編「tatuaggio」に登場したタトゥー屋ガッドのお話(説明が長い…)。クマとインテリシリーズに関係なく読めます。ガッドがまとう空気感が好きです。独特のテンポは、誰と一緒にいることも選ばない彼の生き方の現れのようで、読み手も同じ歩調では歩けないような取り残される感じです。が、それがすごく癖になります。ほんと、癖のある男たちを次から次へと描く作者さんです(褒め言葉です)。ガッドは、貞操観念が低く、誰とでも寝る系ですが、自分に執着する男は相手にしません。バルコニーに立つ彼が何を思っているのか、そこにどんな意味があるのか最初は分からなかったのですが、彼の心にずっとあるもの、彼がバルコニーで何に心を捕らわれていたのかが想像できたとき、少し切なくなりました。重くならないのは、作者さんの持ち味なのか、イタリアというお国柄なのか(ますます行ってみたいイタリア)。歯車に任せて、最後のページで微笑むガッドが良かったな。ピザ好き友達、最高に好きだな。ピザ食べたいなー、ビール飲みたいなー。そう言えば、日本に恋人を取られた彼は、短編の時から名前が出てきてないような気がするな…。
いいねしたユーザ8人
レビューをシェアしよう!