とても5歳の幼稚園児とは思えない!





2021年5月13日
コタローは、コンビニの清水さんが経営するアパートに一人暮らしの5歳児。父親のDVで苦しめられた母親が失踪後、亡くなった事実を知らされず、いつか母親に会える日を心待ちにしている。社会や自分の周りの出来事に、達観して諦念の感情を持ちながら、周りの大人達に必要以上に頼らず、自分の足で立っている。周りの人達も声をかけつつ、必要以上には手を差し伸べることはなく、言葉がけだけではなく、日々、顔を合わせ、彼の表情や一挙一動を窺いながら、困っているだろうと察して手を差し伸べて支えていく。心が疲れた時に読むと、涙腺が思わず緩んで、しんみりもするし、心がほっこりすることもあります。とくに、ヤクザの父を持つ園児の似顔絵を取り替える話はとてもいい。このお話は、決して暗くならないように、深刻にならないように、淡々と、体温の低いかのように見えますが、周りの人々の交流の中で、少しづつ子供らしさや他人に甘えを見せていくコタローの成長物語なので、ぜひ読んでください。

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