萬遊記-斑月短編集-
」のレビュー

萬遊記-斑月短編集-

斑月

叱られてさめざめと泣く雷様が可愛いです

ネタバレ
2021年5月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ シリアスな絵とエロくて可笑しい、でも決して下品にはならない独特の世界が堪能できる短編集です。
『雷考(いかずちこう)-雷について考える』二人の雷様が大暴れします。会話は全て「ゴゴゴロゴロ」「ピッカピカピ」で成立します(日本語字幕アリ)興奮した二人は角を擦り合わせ、調子に乗って放電しまくり(このくだりが無駄にエロくて爆笑必須)最後に叱られてしまいます。絵柄もカットも勢いがあり、迫力に満ちた放電合戦の後の静かに雨の降り頻るラスト頁できれいに締め括られます。
『仕立て屋』採寸をする仕立て屋と客とのやりとりのみの短編。真面目な口調で、中身はエロだけというのがバカバカしくて素敵です。
『俺の兄貴は俺のもの兄貴の全部俺のもの』まずタイトルが良きです。加えてなんとオメガバです。男が男に惚れる任侠の世界のカッコ可愛い兄貴とアホ可愛い弟分のお話。
どれも短編ならではのスッキリさでまとまっており、『密書でござる!』とはまた違う、でも作者さまならではの切れ味の鋭い笑いが楽しめます。
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