ブルース
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ブルース

もんでんあきこ/桜木紫乃

謎が謎を呼び惹きつけられました。

2021年5月31日
新聞の訃報欄で、ある男の死を、ナビゲーターの様な女性が知るところから物語は始まります。
男に関わった女たちの独白に似た思い出語りで、オムニバスの様に幾つかのエピソードが、過去と現在が交錯しながら語られて物語は進んでいくのですが、最初は謎だらけの展開で、どことどこが繋がるのか分からない中で、少しづつ現在に近づきながら紐解かれていきます。
最後は、不死身のダークヒーロー的だった「博人」が、人間臭い生身のオトコだった事に淋しい気がしたり納得したり・・・。
彼女達の記憶に深く刻まれている事が、「博人」という6本指だった男の追悼の意味になるのかもしれない、なんて考えたりしました。
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