ダディダーリン
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ダディダーリン

菅辺吾郎

どちらも素晴らしい作品です

2021年6月3日
『ダーティダーリン』のスピンオフで、正児パパと花雄さんの物語です。前作で、花雄さんがやたらと正児に親身なのが、不思議だったんですけど、納得出来ました。赤ちゃんの頃から、二人で大切に育ててきたんですね…それは感慨深いです。
自我に目覚める年頃に、無自覚に性癖にも目覚める正児。その無邪気さが、花雄さんの秘めた想いを苦しめて切な過ぎます。正児パパが息子を抱きしめた姿は、胸ものどの奥もぎゅうっと締め付けて痛かった。あれはたまらない。涙です。読者に訴えかける心情が突き刺さりますね。
花雄さんの心の中でくすぶる想いを、『恋』にせず『恋』と呼ばず押し殺す。なんて辛い片思い。
20年という長い歳月の中、気持ちが薄れていくどころか、おじ恋の募る想いはもっと切ない。年を重ねれば重ねるほど、恋に臆病にもなるだろうし、傷つくのが怖いと思います。花雄さんがなんだか愛しい。
正児パパにとっても、花雄さんは大切な存在で、大切な出来事には隣にいて欲しい人。花雄さんと同じ恋心。知ってか知らずか、「月が綺麗」の会話はキュンとしました。やっぱり素敵な愛の言葉です。
これから先も、二人で手を取り合って、二人の息子を見守っていくのでしょうね。
はぁ、なんて渋くて、熱いおじ恋でしょう。
『ダーティダーリン』も『ダディダーリン』もどちらも甲乙つけがたく、すごーくすごーく素敵な作品です。どちらも好きです。
良かったぁぁー。フォロー様方、ありがとうございます。
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