したたる色気にあてられる!





2021年6月3日
高校剣道大会の決勝で戦った花森勝臣と八重樫剣(つるぎ)。風のように捕らえどころがない剣の表情や言葉に刀のようにハッと胸を突かれる勝臣。他方、がむしゃらな太刀筋を裏切るような勝臣の優しさ、懐の深さに慕わしさを覚える剣。もし、互角の剣士同士としてだけでなく間合いを詰めたなら?もし相手を本気で好きになってしまったら、もう対等でいられなくなるのか?勝臣に心が傾く自分自身から逃げて足掻く剣に対し、剣への恋情を潔く自分に認めた勝臣は腹をくくれと真っ直ぐ剣に向かい合う。互いにのみ分かる言葉や視線の応酬の中に二人の熱情と迷い、覚悟が読みとれ、したたるような色気にあてられてしまうはず!第1話が1990年代に書かれた作品。名作。

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