このレビューはネタバレを含みます▼
漫画はあまり短いものは内容が薄くなりがちなので好まないのだけど、これはこれで過不足を感じない。うまくまとめられているからだと思う。
何もかもなくすことになったとしても周りにどれだけ迷惑かけようとも捨てられないもの『蓮の和真に対する揺るぎない絶対的な愛』この本はとにかくそこに尽きる。自分を含めた大人にはどうもしてやれないことはわかっている。だからこそ救われてほしいし、報われてほしい。そう願わずにはいられなかった。
どんなことがあろうと15歳の子に「好きになってごめん」なんて言葉を吐かせるような事はあってほしくない。私が蓮に感情的に肩入れしすぎなのはきっとそういう理由だ。
そしてクライマックス。映画も含めこんなにも美しくグッとくる「好きだ」のワンシーンがあっただろうかと思う程、和真が蓮に想いを告げるシーンは何度読んでも感情が揺さぶられる。一つ一つに期待し、一つ一つに絶望してきた蓮が報われた瞬間。読み手の想いも浄化された瞬間だった。
自分的にはこの二人が例え駆け落ちをしたとしても最後までこの二人の味方であることは断言できるけれど、若さゆえに責任の取れないような間違いを犯してしまった二人が「正しく」愛を貫いて、読み手に罪悪感を抱かせずスッキリとした読後感を味わせてくれたのは感謝しかない。
初見から一週間毎日飽きずに繰り返し読み、いまだに定期的に読みたくなる作品。はぁーーー好き。