ハレの日【分冊版】
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ハレの日【分冊版】

朝田ねむい

痛いところを…

ネタバレ
2021年6月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 息子のなつきが父親の自分と同じゲイ?しかも自分がいいなと思っている相手に恋してる!?…と気づいた父親の目線で語られるお話です。
とてもいいお話でした。
ただ…あぁ、この作者は痛いところを突いてくる…。
ひとつには、初めての恋に揺れる息子の姿に、同じ年頃で恋に破れた昔の自分を投影する余り、お節介を焼いてしまう父親の愛すべき鬱陶しさ。告白された直後の相手にあんな畳みかけ方をしたら、相手は逃げ道を失うよぉ。本人同士で話し合って二人なりの落としどころを探せたかも知れないのに「(傷つかないよう)断ってやってくれ」なんてー。なつきはあなたのコピーじゃなく別人格なんだよ?…と思いながらページを繰っていったら、父親は「お前は俺とは違うんだな」と自覚して愕然としていた。あ…いい親だ…。
ふたつめは、元妻が、会うたびに夫に「だまされた」「嘘つき」と繰り返す結構なしつこさ。子供が3歳の時分に別れて以来、定年の翌年、息子の結婚式の日まで、何十年、同じことを言い続けるんだ~(と思ったら直後のコマで元夫が同じことをグチってた)。私の両親を見ているようだ。夫婦あるあるなんだとちょっと安心(?)しました。
なつきは賢い子でしたね。14歳にして、告白したら相手からの答えは「Yes」も「No」もあり得るんだとわかっていて覚悟していた。覚悟してはいても悲しいに変わりはなく、そこが切ないですね。自分が14歳の時、こんな覚悟してただろうか。
今回も(またまた)フォローしている方々の少し前のレビューを拝見し、購入。レビューを拝読しては時に声を出して笑ったり、時に泣きそうになっています。オススメを全部読んでみたいけど、資金が……ジレンマです。
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