きっと、幸せな結末【特典ペーパー付】
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きっと、幸せな結末【特典ペーパー付】

麻生ミツ晃

心にグサって刺さる言葉や場面が多過ぎて…

ネタバレ
2021年6月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 何度もうるっとさせられる物語でした。主人公すみれの、自分自身で不幸であって当然と思っている重たく救いようがなく見える人生。自分にはもう幸福は訪れないと信じ込み、何事にも期待を抱かずあらゆる感情を飲み込んで、主体性も無く流されるままに生きるすみれ。そんな彼の姿が痛々し過ぎます。
僕は特にバーのママの言葉に何度も心揺さぶられました。その言葉や佑真の強く一途な気持ちに徐々に感化されて、影響されていくすみれ。何事も“片思い”が基盤となって成り立っている世の中、愛したものに同じ様に愛されるなんて奇跡だ、だからこそもし自分にもその時がきたら絶対にそのチャンスを逃さないで、という事にすみれが気付いて、自分の気持ちを肯定できるようになって良かった。最後の場面は最高のクライマックスシーンだと思います。
暗く切ない物語ですが、だからこそ伝わってくるものが多くて、素晴らしい作品でした。
BL AWARD 2020 BEST DEEP部門にノミネートされています。
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