たゆたう種子【シーモア限定特典付き】
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たゆたう種子【シーモア限定特典付き】

中陸なか

ジンワリジンワリ沁み込む一冊◎

ネタバレ
2021年7月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初コミックス。
作品内容をちゃんと読まずに表紙に惹かれて読み始めたら、
凄い!!眩しい青春映画の様!!自分の気持ちを本人が一番分かっていない未熟なDK二人と過去を持つ先生との柔らかな関係。
じっくり丁寧な描写に心を揺らされました。
読み応えのある好きな話◎

ある男子高が舞台。
冴えない生物教師(木庭先生)が好きで、意図的に赤点を取り
独り占め補講に胸躍らせる優等生葉純(特進科2年)。
そこに自主受講の接点のない生徒根井(普通科2年)が加わり。
察しの良い根井君のちょっかいで少しずつ変わる三人模様。

三角関係に発展するかと思えば、そんな安易な話ではなくて。
身近なオトナの先生への憧れや好奇心を恋心と思い込む青さも
良かったし、タイプ違い葉純君と根井君の関係の変化も自然◎

先生の悲恋には涙が出るけど、枯れた花壇に三人で植えた種と、DK二人の心に芽生えた恋の種と、先生の中で長く温めていた種など、全部が発芽出来た様なポジティブな話。
タイトルがナイス◎
隅々まで丁寧に追う展開と先生が最後まで先生で素敵でした。

→スピンは木庭先生編(嬉)『木々は春』
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