イングランドを想え
」のレビュー

イングランドを想え

KJ・チャールズ/鴬谷祐実/スカーレット・ベリ子

クローズドサスペンス:満足感↑↑

2021年7月3日
《M/M小説》初読み作家さん。最高に面白かったです!!
私のドストライク(笑)レビュー数少ないのが不思議。

20世紀初頭の英国ロンドン郊外が舞台のサスペンス。
実業家ヒューバート卿の別荘パーティー(二週間滞在)で出会う二人。

元大尉の英国紳士アーチー・カーティス×ユダヤ人の詩人ダニエル・ダ・シルヴァの話。

自ら負傷し多数の仲間を失った戦地での事故のテロor陰謀の証拠探しが目的のカーティスと、それを阻むダニエルが共同戦線を張ってからはもう夢中です!!

その事故で肉体的ハンデを負い多くを失ったやさぐれカーティスの招待客観察から面白い。ダニエルに至っては〈嫌悪の塊〉〈忌々しいやつ〉〈不快な生き物〉相当な毛嫌いがロマンチックなメロメロになるからたまらない!!

正しい英国紳士であろうとするやさぐれ堅物(カーティス)と
知的な怪演を見せる'なよなよ'(ダニエル)のウィットに富んだ噛み合わない掛け合いがツボ◎
日本作とは違った台詞回しも魅力です。

エドワード朝時代のクラシカルな背景に、多数の思惑が絡み、
階級・人種差別のヒリヒリ感、屋敷の構造や塔・洞窟などハラハラドキドキ満載でノンストップで楽しめました。

読み進むほど変人二人の魅力的な人柄にハマり、深い愛情と官能的進展も良かった。大どんでん返しの先の粋なオチだった二人のこれからの関係構築を読みたいです!!
ストレートな邦題も素敵◎
いいねしたユーザ5人
レビューをシェアしよう!