俺と上司の恋の話
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俺と上司の恋の話

ナナメグリ

この作品の空気感が好き

ネタバレ
2021年7月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズ3部作です。
『俺と上司の恋の話』→『俺と部下の恋の先』→『俺と彼氏の恋の果て』
まとめ買いしておいて良かったです。
トップバッター『恋の話』を読んで、すごく引き込まれました。『俺』(ノンケで攻めの髙梨)目線で語られる上司(ゲイの徳永)との恋模様です。

徳永がゲイである事が、社内で周知の事実である事に驚く新人髙梨。今でこそ、その事実に誰もが温かく見守っているようだけど、そこには乗り越えた過去がありました。それもこれも、社長・古谷さんの理解や支えがあってこそ。
この古谷さんが、とーっても優しくて素敵な人なんです。読む前は勝手に部下に手を出すヤツか?なんて穿った推測してました。(ごめんなさい。古谷さん)とんでもなくナイスミドルな方でした。部下が子供なら、古谷さんはお父さん的な存在そのものです。だから、徳永が惹かれるのも無理はないかな。
不毛な恋と最初からわかっているから、尚更切ない…
ちゃんと自分の気持ちにケリをつけた徳永。頑張ったね。偉かったね。

そんな上司・徳永に物怖じせず、まっすぐぶつかる髙梨の存在がいいんです。
二人がくっつく前も、くっついた後も変わらず、ど直球で対等な髙梨と徳永の距離感が好きです。
『散っても、また咲くのが恋でした』
作中のこの言葉が素敵だなぁって思います。
二人の初めてのエッチ、可愛いかったぁー。

同時収録に古谷さんの若かりし頃のお話が入っています。それがとても切なくて泣けてしまいました。きっと、今ある古谷さんは過去を乗り越えて、過去の哀しみを忘れないからこそ、部下を見守る優しさや温かさを持ち合わせているんですね。涙。涙。


他短編もいいお話でした。
本編内とカバー下の4コマ漫画が、可愛くて和みます。
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