不機嫌なモノノケ庵
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不機嫌なモノノケ庵

ワザワキリ

最終話以外は全て良かった

ネタバレ
2021年7月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最終話と知らずに読み進めたところ、突然「またいつかみんなに会えると信じてる」というようなラストシーンで、「え?終わりだったの?!」と初めて気が付きました。

ハッピーエンドかどうかではなく、最終話があまりにもあっさりとしていて、肩透かしを食らったような印象。
これまでが丁寧にしっかり作り込まれて描かれていたので、
この結末に至るにもあと1、2話あってからでよかったのでは…。

これまでのお話と、最終話の結末の流れが別の物語のような質感で、読み手の気持ちが置いていかれたような感覚がありました。

安倍が仕事で現世には中々戻ってこないからといって、彼は人間で高校生だから学校で顔も合わせるわけだし、モジャも預かるし、今後も普通に2人の関係は続いていけると思うのですが、
安倍との関係まで視えないだけで視えるようになるまでさようなら、という流れはどうにも腑に落ちませんでした。

奉公人としての役目を果たさないからでしょうけど、それにしたって…ねぇ?
モジャだけは視えるというのを未来の再会への希望的伏線として残したのでしょうが、それが返って結末との違和感を生んでいると思います。
安倍が転校してしまう、モジャも視えなくなっているというわけでもないのに、あの別れ方は…。
実際には関われる相手なのだから、視えるようになったらいつか会いに行きますというのは変な感じ。
今後の接点がなくなるわけではないのに。

お別れを描くことに重点を置きすぎて、芦屋と安倍が別れる必要性がないのに、無理にそこに着地したように感じました。

これまでがとても面白かっただけに、兎にも角にも、最終話がもったいなかった。
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