言ノ葉ノ花
」のレビュー

言ノ葉ノ花

砂原糖子/三池ろむこ

切ない

ネタバレ
2021年7月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 少し前にコミカライズを読んで、やっとこちらを読みました。
本編はコミカライズとほぼ同じ内容+後日談。
ある日突然、人の心の声が聞こえるようになった余村×寡黙で愛想のない真面目な家電販売員の長谷部。ノンケ同士(おそらく)のカップル。
仕事も順調で恋人にプロポーズして幸せの頂点!と思ったのに余村をバカにしたりする彼女を声が聞こえてショックを受ける余村。
口では調子のいい事を言う、仲がいいと思っていた同僚の真逆な心の声を聞いて人間不信になる余村が不憫。
しばらくして長谷部と同じ家電量販店で働き出してふとしたきっかけで親しくなって。
それまで愚痴や悪口など、マイナスの感情ばかり聞いてきた余村が自分へ好意を寄せる長谷部の心地よい声に惹かれるのは自然なこと。
聞こえてしまうことに罪悪感を感じたり、なるべく聞かないようにしたり凄く健気なのに…
長谷部とすれ違って傷つけ合ってしまう2人が切ない。
心が通い合ってからの『自分を愛する男の声が聞こえる』身も心も幸せなラブラブHに萌えました。
後日談では今まで『聞こえる』のが当たり前だったのに急に『聞こえない』状態になり、良かった!と思いきや、今まで見えてたものが急に見えなくなってような、自分が自分ではなくなってしまったような不安感。
仕事もスランプになり、長谷部が何を考えてるのか、自分への想いすら分からなくなって混乱している様が痛々しかった。
でもいつも最後に助けてくれるのは長谷部なんだよね。
多目的多数に愛想がいい訳ではなく、自分にだけまっすぐにその心を見せてくれるなんて最高の恋人じゃないですか?
イラストが少し古い感じ(10年前とかのもの)ですが良いお話でした。
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