感慨深い。





2021年7月22日
ヒロインの亡き妹の春が 大好きな姉とフィアンセがお付き合いすることで、姉が 春の呪いがかかってるんじゃないか、と、思い込んだところから このタイトルが付いたんだと思います。ほんとは 呪いだと考えることで、亡き妹のフィアンセとお付き合いする罪悪感、だんだん彼のことを好きになっていく不安感などを 少しでも 拭おうとしたのかもしれません。結局のところ、もう良い大人なんだし、家を出ることも誰を好きになることも自由なのに、なんだかんだ言って、だって仕方がない、という気持ちがメインキャラ二人を縛り付けていたのだと思います。ヒーローは無気力なお坊ちゃまで、ヒロインはお転婆でガサツ、まったく、違うタイプの人間に見えて、実は 根底の気持ちはいっしょだったんじゃないないかと思います。ヒーローが ヒロインに興味が沸いたのは、彼女に自分をみたのじゃないかって思うし、ヒロインがヒーローを慕ったのは 彼女が溺愛してた妹の思い出を共有できる唯一の人間だったという思いが心底にあったのかもしれません。いずれにせよ、二人は家を出て、自分たちの道を歩んで行く事に決めたのは、いばらの道の呪いから醒めた、とも考えられるし、二人は これからも亡き春の思い出を共有するという呪いにかけられた、とも考えられるのかな、とも思います。亡くなった人の思い出は消えることはないだろうし、きっと 姉の未来には 妹の影が ちらほらとあるんだろうし、そういった意味では過去っていう呪いなのかな、とも思います。いろんな考え方が出来て興味深い作品でした。

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yotika さん
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名探偵キャサリンの息子 さん
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