太刀風君は侘びている
」のレビュー

太刀風君は侘びている

うさきこう

飄々とした太刀風君が絶妙

2021年7月22日
画は正直上手いとは言えないのですが・・・印象的です。
若年で早々に写真のコンテストで賞を獲ってしまったDK:木下君の悩める日々を描いた作品で、そこにほんのりBLが混じってくる感じですが爽やか目の内容です。
本来写真を撮るのが好きだったはずなのに、いつの間にか賞を獲るための写真・・になってしまい、そこに現れたのが生け花の才能溢れる先輩:太刀風君。彼の大人な言動や口調が段々読んでてクセになってきます。気になる先輩はやがて恋愛対象としても気になる存在になってくるのです・・。
作者さんは男性の方なのですが、そこはあんまり関係ないかもしれないですね。ただ、あとがきで「同性愛であるコトを悩むのは無しにしよう」として描いているので、そういう目線で描かれている作者さんには「BL」というジャンルはどう映るのだろう?などと色々考えてしまいました。作中に出てくる木下君の女友達:二木さんは、異性も同性も関係なく自然に惹かれ合った太刀風と木下CPを見て「2人が街で手を繋いでも、変な目で見られない世の中を作りたいな」と締めくくっています。実は自由なようで自由じゃない世界・・それはいつの時代も同じだけど、主張できる世の中になりつつはあるのかな・・・と漫画を通して思うのです。
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