泡沫の鱗
」のレビュー

泡沫の鱗

ソライモネ

「海の日」に「海」にまつわるお話を

2021年7月22日
大好きな作者さんです。この作品で”ソライモネ”名義作品は、全てレビュー済みになってしまいます。どの作品もおススメです。
こちらは、喉の手術で歌う声を失くしてしまった元ミュージシャン鉄太と海の近くで父親とレストランをやっている凪のお話。
レビューには深く目を通さず読んだ方がいい作品かなと思います。私は、驚きが大きくて戸惑いがありましたが、結果としてはその戸惑いが感動を深めたように思います。
冒頭、「海見てるのが好きなんだ」「……オレも好き」と言った2人が、海のそばで音楽を通して紡ぐ物語。サカナ、灯台、カモメ、波打ち際、鱗、泡、歌声と海の泡…泡沫。歌と海にまつわる物や事。最初から作者さんはそっと布石を打っておられたんだなと、読み返しながら切なさが増します。切ないけれど、寂しさを感じたくはない、けれども涙があふれる…そんな読後です。
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