このレビューはネタバレを含みます▼
作者様買いです。オメガバースと知らずに買いましたが、とっても良かったです。オメガバースでも、描く先生がどこに焦点を当てるかによって、全然違う読み物になると思いました。バース性による階級差別や暴力など、重苦しいイメージなどもありますが、こちらの作品はただひたすら恋焦がれる純愛です。読み応えのある良作ですよ。
両親、叔父叔母を大事故で亡くし、唯一の生存者である叔父の連れ子・ハル(α)を引き取ったユキ(Ω)。
互いにひとりぼっちだった二人が、血の繋がらない親子として、寄り添いながら寂しさを埋めてきた。二人の間に起こる突然の変化は、ハルの告白とユキに初めて起きたヒートによって引き起こされます。
初めて起きたヒートに対する怖さや、身体が変わっていく事の不安でいっぱいいっぱいであろうと思われるユキ。その上さらに、親としてハルへの複雑な葛藤も辛かったと思います。それでもなお、惹かれるハルへの想いが心に染みます。ドア越しの二人の会話が胸にグッと刺さりました。涙です。
１８歳、抑えきれないほどの欲情と情熱。だけど、必死に自分の中の爆発しそうな想いと戦いながら、抑え込もうともがくハルも、見ていて切なかったです。大切にしたいから、ある決心をしたハルに涙しました。
一回りも二回りも立派な大人の男に成長したハル。
二人の間でブレーキの役割を果たしてきたユキの友人・洋乃も、もう心配しなくてもいいよね。この洋乃がとてもいい味出してました。
素敵なラストにこの上ない幸せを感じました。あぁ、感動だぁぁ。
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