エブリデイ イズ ア グッドデイ
」のレビュー

エブリデイ イズ ア グッドデイ

西のえこ

人の温もり

ネタバレ
2021年7月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 事故で姉夫婦を亡くした暁と、姉の子供旭日。上手く向き合うことが出来なかった甥と始まった生活。そして暁に想いを寄せる千尋。ページ数は多くないけれど、皆それぞれ抱えているモノが解れて行く過程がゆっくりゆっくり丁寧に描かれています。こういうテーマは、少し間違えると感動させたいのかな?という違和感を感じる様な作品になりがちですが、この作品は本当に心に沁みました。それに、暁が千尋への返事を待ってくれと告げた事がすごく響きました。ちゃんと旭日とも千尋とも向き合っていると感じました。それと、両親へ旅行に行くよう持ちかけた暁の気持ちも、とても良かった。何気なく始まった生活だけれど、その時間が暁、旭日、千尋、そして両親にとっても本当に必要な時間だった。その時間を経て、止まっていたそれぞれの時計の針が動き出す。人生は人と人とが関わって織り成すものだと改めて感じました。そしてそして、あっぴ!この子の可愛さは筆舌に尽くしがたい。可愛さがリアルです…。ちゃんとリアル4歳児です。最後はあんなに無邪気になれて、本当に良かった。千尋を出迎えるあっぴは天使そのものです。あっぴ、キヨちゃん…作者さんネーミングの天才です。子供が登場するBLだと靴川先生の『パパとぼくとかぞくになってよ』がとても好きですが、こちらの作品も本当に素晴らしいです。悲しいこともあるけれど、その悲しみを誰かと一緒に寄り添えたなら、人生はやっぱり優しくて温かいのかも。
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