先生さよなら、また明日
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先生さよなら、また明日

みつこ

津田先生がズルい!

ネタバレ
2021年8月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初読み作家さんで、ランキングに入っていて気になっていたところに、フォローさせて頂いている方のレビューに後押しされて購入しました。表題作のみ全6話+描き下ろしで合計222ページ。遊んでばかりの大学生・津田が教育実習先で出会った中学生・成田。教育実習のモチベーションを上げるために、美少年の成田をちょっとつついて遊ぶつもりが…というお話です。成田の「大人でもなく子供でもない感じ」がとても上手く描かれていたと思います。成田目線のモノローグがないのではっきりとは分からないんですが、大人に対する嫌悪感とそれに当てはまらない津田先生というのが大きいキッカケなんでしょうが、中学生にとってはそれが好きになるきっかけには十分だったんだろうし、それくらいの年齢で経験することって人生に大きな影響があるんだろうなぁと。だからこそ津田先生のズルい感じが、なんかモヤモヤするんですが、より一層読者を物語に引き込むのかなと思いました。だって遊び半分で中学生をつついておいて、いざとなると尻込みしちゃうんですよ。ズルい!ズルいんですが、純粋な中学生を弄んだツケというか、そこからしっかり学んで誠実に対応してくれたから、成田が報われた気がしました。というか、きちんとした行為は大人になるまでありませんが、サラッとですが中学生のビジュアルで成田が攻めてる妄想があったり、中学の制服のままで生活圏をウロウロしてる(デート的な)ので、その辺りの倫理観が少しでも気になる方は注意した方が良いかと思います。
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