このレビューはネタバレを含みます▼
他レビューにもございますが、まだBLが"801"とジャンル分けされる前の世界観漂うお話でした。耽美でいん猥、背徳感で溢れていて、ゾクゾクします。作家さんの画風でトーンが少なく、はっきりとした白黒、たまに細線で陰影を描かれる、かといって手を抜く訳でなく細かな背景がきちんと描かれ、そこもまた、昨今のトーンだらけ作品にない、独特の麗美・造形美を醸し出しています。味わい深い作画で、『グラン・ギニョール』感むんむん、酔いしれます。
内容も「子爵と執事」。どんなに愛し合おうともけして交わりも口付けさえもしない、どんなに求め狂いそうに欲っしてもただただ耐える──その姿がいん靡です。直接触れない代わりに第三者との馬鍬いを視かんで埋めるというもの、背徳心を煽られます。
後半分の続編があるそうですが大人事情で出版されないとあり、これほどまでに"BL"にない、耽美な世界を表現している作品はないと思うので、残念でなりません。リブレさんで出せない(もっとえげつない作品を発刊しているのに何故でしょう)なら、他社でもいい!個人制作でも!何年でも待ちます!続編を是非お願いします。