BOYS OF THE DEAD
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BOYS OF THE DEAD

富田童子

うわあああこれは泣ける…苦しい!最高傑作

2021年8月6日
なんですかこの作品は…!あまりの衝撃で思考が一時停止しています。…ローディング…。そして好みど真ん中過ぎる作品です。
他のレビュアーさんや僕のフォローしてる方々も書かれてるように、「究極の愛」「究極の欲望」という言葉が一番しっくりくる一冊ですね。絶対に避けられない"終末"を少しでも引き延ばそうと、極限状態の中にいても、愛する人への想いを貫こうとするそれぞれの必死な姿、泣けます。それでも救いようのない状況下にいる彼等の境遇に、胸が苦しくなりました。脆弱な彼等の、それぞれの儚くも頑なな想い…本当に美しい、けど辛いです。
オムニバス形式なので全てのカップルの物語が繋がっていますが、僕のお気に入りカップルはフォローさんと同様ライナスとコナー(表紙を飾っている2人)です。どのカップルの物語にも涙しますが、ライナスとコナーの揺るぎない愛には一番胸が締め付けられました。
サブカル要素もふんだんに含まれている作品、ショッキングな衝撃をも受ける画力とその美しさ、圧巻の構成力、辛くも心に刺さる一文一文、そして何よりも心に響く物語の面白さとメッセージ性、富田先生の才能溢れた力作だと思います。あとがきでも言及されてますが、この作品が発行される前、富田先生が倒れて48分間心停止を起こして、その1週間後奇跡的な蘇生をし復帰した、というエピソードを関係者さんのインタビューで読みました(ネット掲載されてます)。この作品の1話目は倒れる前に既に描かれていたそうで、回復後に残りの話を完成させたとか。いやでも、もう偶然としか言いようがないのかもしれませんが、この富田先生の出来事と、ゾンBL作品を手掛けた事との因果とか関係性を、思わず考えてしまいます。すごい話だ…。
2017年アフタヌーン四季賞で富田先生が四季大賞を受賞された作品、『うつくしいものたち』も読みました。はあ、もう感服、脱帽です。世界観が好き過ぎる。画も凄く好きです。ネットで無料で読めるので、興味のある方は是非。
好みがかなり分かれるジャンルの作品だという事は明白ですが、この圧倒的衝撃と感動はたくさんの方に味わってほしいです!僕は完全に富田先生のファンになってしまいました。富田先生のこれからの作品も本当に楽しみです。
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