ダズリン スマイリードッグ
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ダズリン スマイリードッグ

酒渼ゆづ子

「みんな違ってみんないい」はずなのに

ネタバレ
2021年8月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 小学校の道徳の時間に、金子みすずの詩で「みんな違ってみんないい」と教えられてるはずなのに、「みんなと同じでないとだめ」なのが現実。実際、宗一も楽が画家の「遠野楽」だと知るまでは、見下してるのが感じられたし。それでも、楽の太陽のように明るく温かい笑顔と、真っ直ぐに向けられる愛に、救われてきたのは自分の方だと気付く宗一。子供への養育費を「投資」、期待に応えられないなら「不要」だと言う親から逃げてきた宗一には、初めて誰かの「特別」になれたことが救いになったけど、読み手としても、暗くなりがちな生い立ちの話も含め、全編を通して楽の笑顔に何度も救われました。
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